著者:武山益嘉 1957年北海道生まれ 1980年立教大学卒業
40代のしくじり
私は40代で転職に失敗しました。
能力が足りなかったのではありません。業界構造を読み違えたのです。
入社前に「この業界は今後どう動くか」を正確に把握していれば、あの選択はしなかった。
そう気づいたとき、悔しさよりも先に、ある確信が生まれました。
そして、このしくじり体験を材料にして、次の世代の役に立てること。
それが、あの失敗に対する一番の復讐だと思っています。
このラボは、その思いから生まれました。
なぜ、このラボを運営しているのか
私は長年、アナリストとして日本の社会・産業・企業を分析してきました。
個別企業の業績だけでなく、規制環境、競争構造、資本の流れ、技術革新がどのように業界を変えていくのか――
そうした「構造の変化」を読み続けてきました。
数字の裏にある意図、戦略の裏にある制約、経営判断の背後にある業界力学。
企業を善悪で語るのではなく、構造で見る姿勢は、私の職業人生そのものです。
企業と個人の両方を見てきた経験
また、私はヘッドハンターとして、個人と企業の人事部の橋渡しもしてきました。
企業が何を求めているのか。
候補者がどこで評価され、どこで見誤られるのか。
採用の現場で起きている現実を、数多く見てきました。
企業側の論理も、働く側の不安も、両方を知っています。
だからこそ、どちらか一方に寄らない視点で情報を整理できます。
私自身の出発点
私は1979年、第二次石油ショックの真っただ中に最初の就職活動をしました。
環境は厳しく、決して順風満帆なスタートではありませんでした。
仕事人生での苦労も、遠回りも経験しています。
しかし後年、その時代に採用されなかった世代が「人事の谷間」となり、
逆に転職市場で評価される局面も見てきました。
禍福は糾える縄の如し。
人生は一時点で決まるものではありません。
だからこそ、構造を読み、持久戦で進むことが重要だと確信しています。
このラボに込めた思い
就職や転職は、努力や気合だけで決まるものではありません。
業界構造を読み違えれば、どれほど優秀でも行き詰まることがあります。
私はそれを、自分自身の失敗で学びました。
私は企業を断罪したいのではありません。
しかし、構造を知らずに人生の重要な選択をする危うさを、
自分の体験としても、他者の現場でも、何度も見てきました。
このラボは、業界構造を読み続けるための基準点を示し、
読者が自分の判断で最善の方向に進めるようにするために存在しています。
私のしくじりが、誰かの事故を防ぐ材料になるなら、
それ以上の使い道はありません。
会社に依存するな。会社に貢献し続けろ。
このラボを訪れるすべての方が、自分の仕事人生をまっすぐ進めることを、心から願っています。
焦らず、怯まず、構造を見誤らずに進んでほしい。
そのための材料を、静かに、しかし本気で提供し続けます。